アメリカの軍人ルシアス・D・クレイ(1897~1978)の伝記を読み始めました。
伝記の著者によれば「ルシアス」というのは「ローマ風の名前」だそうです。
そうですか、というほかないですが、クレイ一族にはローマ風の名前が多いそうです。
「ブルータス」とか「カシウス」とか。
で、これまた著者によれば、ぱっとしない一族ほどローマ風の立派な名前をつけたがるそうです。
これまたそうですかというほかない。
そのぱっとしない一族の出であるルシアス・クレイは、陸軍の将軍で第二次大戦後ドイツ占領軍の最高司令官としてドイツの民主化と復興に尽力した。
アメリカ国内では「ドイツ復興なんてとんでもない」という意見も多かったが、ルシアスは「腹ペコで民主主義はムリ」という自説を曲げなかった。
軍人と言っても実戦経験はなくて、輸送や道路、空港の建設の専門家だった。
ルーズベルト大統領のニューディール政策ではダムの建設や雇用問題で活躍した。
民政とかなり重なる部分があったので戦後のドイツを任されたんだと思います。
退役後は軍需会社からの誘いは受けないと決めていた。
コンチネンタル缶会社、リーマンブラザースの再建に力を発揮するなど実業家としても大成功を収めた。
ぴかぴかバリバリの経歴です。
元将軍で勲章だらけで民間でもぴかぴかバリバリの人らしくすべてにおいて即断即決揺らぐことなく自信満々であった。
「組織のトップとしては素晴らしいけど友人としてはちょっとね・・・」という評判だった。
ある人がルシアス・クレイと話をしてて、彼があまりにも断定的にものを言うので辟易した。
「あのね~、キミね~、英語にはmaybeという言葉があるんだけど、使ったことないよね」
著者は、「なさそう」と言ってます。