若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

野球の神様、背番号16

昨日の夜、ニュースを見ていてプロ野球が始まった事を知った。

野球に興味をなくして長い。

子供の頃は、原っぱで野球ばっかりしていた。
4年から6年まで同じ組だったK君は野球をしなかった。
おとなしい目立たない子だった。仲間外れにしたとか言うことではなくて、Kくんは野球をしない子だったのである。そのことが非常に印象に残っている。
私は、時々K君のことを思い出す。「野球をしなかったKくん、どうしてるんかな」という感じで、思い出す。

小学校3年の時に本格的に野球少年になった。同じ組で仲良しになったT君が野球好きだったからである。
T君はお寺の息子で、家では、「こぼんちゃん」と呼ばれていた。ぽっちゃりした可愛い子で、野球が非常にうまかった。

T君は、私に、川上選手の写真の下敷きをくれた。当時としては、とてつもなく豪華な品物であった。
私は、プロ野球のことは知らなかった。T君は、巨人が好きで、川上選手が好きだと言った。川上選手は、「野球の神様」だと言った。
そして、川上選手の背番号は「16」だと言った。
これは決定的でしたね。
私の出席番号が「16」だったから。たちまち巨人ファンで川上ファンになった。

その頃、少年雑誌に、川上選手と、毎日オリオンズの若手、榎本選手が並んでバットを構えている写真が載った。
二人の会話。
榎本選手「川上さんは、野球の神様です」
川上選手「野球の神様か。わっはっは」

T君とは、同じ組の間は非常に仲良しで、組が変わるとそれほどでもなくなった。

プロ野球を知った私は、近鉄パールズも好きになった。
近くを、近鉄電車が走っていたからである。
その頃、パリーグは8球団で、近鉄は、5位か6位であった。ちょっと弱かった。ところが下位の2球団が無くなって、一番弱くなってしまった。
理不尽であると思った。

数年前、仕事の関係である立食パーティに出た。

私より背の高い、ヒョロっとした頭のはげた人が近づいてきた。
突然私に、「どこの出身ですか?」と聞いた。
「大阪生まれですが、すぐこちらに越してきました」
「小学校はどこですか?」
ははーん、この人、私を誰かと間違えてるんだな。
「××小学校です」
「何年生まれですか?」
私は笑いそうになった。
「21年生まれですけどね、でも私は・・・」
「やっぱり!Tです!」

T君!?
40年ぶりの、変わり果てた「こぼんちゃん」!