若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

高田好胤法話集

新聞の全面広告。
高田好胤法話集:カセットまたはCD全12巻」

私は、四十数年前、中学2年の時、遠足で薬師寺に行って、高田好胤さんの話を聞いたことがある。
当時すでに高田さんは、「面白い青年僧侶」として、マスコミで取り上げられていた。
薬師寺の境内で、高田さんが何を話されたか記憶にないが、一言だけ、はっきり覚えている。
高田さんが話している最中に、近鉄電車が通って、話がさえぎられた。
電車が通り過ぎた後で、高田さんは
「あのうるさい電車は、近鉄バカヤローであります」
と言われた。

私は、「こういうことは、言うべきでない」と思った。
軽薄な人だと思った。

その後、私は高田さんの書かれたものも読まず、話を聞く機会もなかったので、私にとって、高田さんは、「近鉄バカヤロー」の人であった。
たったこの一言によって、高田さんは「軽薄な男」と断定され、名誉回復の機会を与えられることもなく、汚辱にまみれたまま死んでいかれたのである。

気の毒ではあるが、仏教ではこういうのを、「自業自得」と言うのである。

「高僧の説法」というカセット集を聞いたことがある。
「高僧」とは何か?
有名な寺の、位の高いお坊さんのことである。
昇進試験でもあるのか?
「高僧の説法」の程度の低さからすれば、試験はないと思われる。

そのカセットの、ある、世界的ブランドである超一流寺院の代表取締役みたいな人の「説教」は、恐るべきものであった。

「私の部屋にクーラーを取り付けまして、スイッチを入れると、冷たい風が吹き出しました。『あ〜、ええ風やな〜』と申しましたら、若い電気屋さんが、『いや、自然の風にはかないませんよ』。ま〜!若い人が、何とえらいことを言うもんだと感心したのであります」
こういう話がエンエンと続く。
タクシーに乗ったら、運転手さんが、笑顔が一番ですと言ったとか。

これが、「高僧の説教」か?
おっちゃんの世間話ではないのか?
その「カセット説教集」を聞いた私の感想。
高僧達は世の中をなめとるな。