若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

ボケ老人と赤ちゃんパワー

母が入居している施設に行く。

1年程前に入居されたAさんは80歳くらいの女性で、いつも斜めに傾いた姿勢の、無表情、無反応な方です。
今日は、Aさんの家族が、生後半年くらいのAさんのひ孫を連れて来ておられました。Aさんに赤ちゃんを抱かせると、驚いたことに、Aさんの表情が生き生きとして、赤ちゃんの頭をなでてニコニコと、「元気やねー」などという言葉まで出る。
「ごく普通のおばあちゃん」という感じでした。

私は、この施設では、「若い男性」として、入居者のおばあさん達にもてるのであるが、赤ちゃんには負けました。男性としての魅力を、ワンランクアップさせる必要があると痛感しました。

母が、全く無反応に近いので、他の入居者の方と話をするのが楽しみです。
しかし、年とともに、話のできる方が減って行きます。
半年ほど前までは、94歳のMさんが私の良い話相手でした。

Mさんは、実に手強い相手でしたね。
ジョークがすごい。
「笑いを取るぞ!当たり前の会話はしないぞ!」という気合がヒシヒシと感じられるのです。

向こうの方で、Mさんの話し声と皆さんの笑い声が聞こえる。
歩行器を押して戻ってきたMさんに
「楽しそうですね。何を話してたんですか?」
Mさんはニッコリ笑って
「あんたの悪口!あ〜面白かった!」

施設の女性職員が、私にお茶を出してくれるのを見たMさん
「おーおー、若い男にはえらいサービスやなー」

私は時々、皆さんの肩をもみます。これは結構手軽で喜ばれる。
Mさんに
「肩、もみましょか?」
「ただやったらもんで」

車の話になったことがあった。
「Mさんとこも、いい車持ってはるんでしょ」
「うちにあるのは火の車」

Mさんが椅子に座るのを手伝う。
「にいちゃん、あんたやさしいな〜」
「私はね、美人にはやさしいんですよ」
「うまいこと言うて!何にも出ーへんで」

そのMさんも、去年仲良しのHさん(「狂瀾怒涛の昭和」の人)が亡くなってから、急速に衰えて、今ではほとんど会話が成り立ちません。

ところが、いつも半分寝ているみたいな、同じく94歳のYさんが、今日はまともに話ができる!
職員さんに聞くと、いつも夕方から、夜中にかけて、さえるのだそうです。私は、これまでYさんの一番コンディションの悪い時間帯にあたっていたようです。

Yさん、以後よろしくお願いします。。