若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

酒とタバコで大量停学

朝日新聞によれば、大阪の某高校で、体育祭の後、生徒たちが酒をのんだりタバコをすったりして、全生徒の四分の一が停学になったらしい。

私が不思議に思うことの一つに、高校生がタバコをすっているのを見たときの自分の反応がある。
なんと言うやつらじゃ!けしからん!と思うのである。
自分も高校のときさんざんすっていながら。
これ、どういうこと?

高校三年の時、U君といつものように喫茶店でタバコをすっていた。
中年の女性が私たちのテーブルにやってきて、
「あなたたち、高校生じゃないの?」
とやさしく微笑みながら言った。

やさしそうだけど、おせっかいな人だなと思った。
その人はニコニコ笑いながら、ポケットから何か出して見せた。
警察手帳だった。

まー、びっくりしましたねー。
U君は、「予備校生です」と答えた。
彼はすでに停学を食らっていたから、私より焦っていたであろうが、実に落ち着いて見えた。
なにしろ彼は、家出したり、ヒッチハイクで東京に行ったりしたこともある、筋金入りの軟派、というと、矛盾を感じるが、まあ「ふつーじゃない人」だったのである。
さすがだと思った。
焦りまくっている自分が恥ずかしかった。

婦人警官は相変わらずニコニコしながら、
「そーお、ハタチまでもう少しじゃない。もうしばらくがまんしてね」
と言って、タバコも取りあげずに去って行った。

私は、タバコに火をつけながら、必死で悠然と
「物分りのいい婦警さんやなー」
と言った。
手が震えないか心配だったが、震えはしなかった。
U君は黙っていた。

それからだいぶたってからのことである。
またU君と喫茶店でタバコをすっていた。
U君が言った。
「しかし、おまえは見かけによらんクソ度胸があるんやなー」
「なんで?」
「前に婦警に見つかった時、おれ、もうほんまにどないしょうか思て、ドキドキして焦りまくってたのに、おまえが涼しい顔してるからびっくりしたわ。おとなしそうに見えるけど、ええ度胸してるなー」

そ、そうだったのか・・・・。
私はまたも悠然と笑いをかみ殺しながら
「そうでもないけど」

補導といえば。
同級生で、ポルノ映画を見に行って、補導されて、学校に通報されるは、親は呼ばれるはで、「人生であんな恥ずかしい思いをしたことはない」と未だに言ってる男がいます。