若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

男と女

この前の土曜日に母の入っている施設に行ったら、新しい入居者がおられた。
87歳のKさんという女性である。

入居して一週間もたたないのに、自分の部屋も覚えておられるし、しっかりしておられるように見えた。
職員さんの話では、夕方から夜にかけてが不安定になられるらしい。

このKさんにあいさつしたが、笑ってくねくねと照れておられた。
私のほうをちょっと見ては、うつむいて口元に手を当てて、笑ってくねくねしておられた。
職員さんも、「Kさん、なに照れてるんですか」と言っていた。
87歳のKさんが、私という57歳の若い男性の前で照れておられるのである。

良い雰囲気である。

この施設でよく経験することではあるが、私としても、男性である自覚を新たにするありがたい瞬間である。
「イケメンナイスミドル」なんて、冗談半分に言っていてはいけない。
はっきり、「若い男」としての自覚を持つべきだと反省する。

94歳のYさんは、入居後数年であるが、私のことを覚えていないので、たえず初対面という感じでお照れになります。

土曜も、車椅子のYさんに職員さんが、
「さ、鹿之助さんとお話しましょか」
「どなた?」
「若い男前さんです」
「え〜!いや〜〜!ンも〜」
笑いながら首を振って手を振って、車椅子上で物凄くくねくねされていた。

Yさんには「しか子」さんという娘さんがおられる。
私は、Yさんに、「娘さん、『しか子』さんておっしゃるんですね。私、鹿之助て言うんです」
と自己紹介したことがあるが、Yさんは
「あーそうですか」
特別の反応を期待した私が悪かった。

職員さんの話では、先日の施設の夏祭りの反省会があったそうだ。
今年はカラオケ大会がなく、私が「鹿せんべいツイスト」を熱唱する場面もなかった。やぐらの周りでの、盆踊りだけであった。
反省会では、今年は盛り上がりに欠けた、カラオケ大会は別にしても、やはり、「鹿せんべいツイスト」でワーッと盛り上がって終わるようにした方が良いのではないか、そうだそうだ!やっぱり「鹿せんべいツイスト」だ!という声がいっせいに湧き上がって、特に若い女性職員の間から、「来年は絶対に鹿之助さんに出てもらいましょう」という意見が強く出されたのならうれしいと思ったが、そんなことはなかったようである。