若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

ステージ衣装

私の好きな「読者欄」

譲ってください。
「刺繍のテキストと糸を無料で」
「糸」というのが、なんとも言えずほのぼのとしたいい感じがする。

「ダンス用のベルト」
そういうモノがあるのか。

きっと「ハデ!」なのでしょう。
尊師はいつも言われる。
「ステージ衣装というのは、『ちょっとハデで普段には着られないな〜』という程度ではだめ。『なに!これ!』というくらいでちょうどよろしい」

私は、ギターを習いはじめて二、三年目に大きなイベントに出た。
そのとき私はふつうの格好で出るつもりだったが、尊師は、絶対にだめだと言って、自分の白いタキシードを着るように言われた。
白いタキシード!そんなとんでもない!と思ったが、あとで写真やビデオで見ると、別にふつうであった。

それ以来、私はステージ衣装については大胆になった。
二年前に買ったのが、王子様風というか、周富徳風というか、ミスターマリック風というか、とにかく純白キンキラキン衣装である。
尊師に教えてもらった古着屋で二万五千円であった。
古着屋でこの値段はかなりの上等である。
白のエナメルの靴は七百円であった。

そのキンキラキンの格好で、あるイベントに出た時、白いタキシードに白いエナメルの靴のおじさんが、私に近づいてきた。
私は、その人のタキシードは一万円くらいだなと思った。
その人は私に、「すごい衣装やなー。負けたわ。二、三十万したやろ」と言った。
驚いた。
「二万五千円ですよ。おたくのは一万円くらいでしょ」
彼は目をむいて叫んだ。
「アホなこと言いなや!十万円やがな!」
「十万!」
「二万五千円てどういうこと!?」
「古着屋ではそんなもんですよ。白いタキシードなら一万円くらいですよ」
「えっえー!ほ、ほ、ほんまかいな!?ほな、その靴は?」
「七百円」
「えっえー!な、な、七百円!ワシの、一万五千円!ステージ衣装て、十万はするで・・・」

その人はがっくりと肩を落とした。
気の毒であった。

帰り際にその人は
「その店教えて」と言ってメモしていた。
彼のステージが一層華やかになることを祈っている。