若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

朝日新聞に問う

朝刊の記事。

奈良女子大学は、先ごろ実施された大学院の入試問題にミスがあったと発表した。
大学院博士課程人間科学部言語文化専攻日本アジアコースの問題で、宇治拾遺物語の中の登場人物の「発言内容」について問う部分が、「発現内容」となっていたそうである。
明らかに、ワープロの変換を見逃したミスである。
なんとなくうれしくなるような、親しみを感じてしまうミスである。

採点した教官が気づいて、受験者全員、その部分を満点にしたそうだ。

それはよろしい。
問題は記事の後半である。
なんと、受験者は三人で、その部分は八点満点だという。
合計二十四点である。

なぜこんなしょうもないことを記事にするのだ。
受験生三千人が影響を受けた、というならわかる。
合計二万四千点。これは大きい。

朝日新聞が記事にするのも不思議だが、奈良女子大が発表するというのも不思議である。
良心的なのか。
隠すよりマシというべきか。

「発表」とは、どういうふうにしたのか。
各新聞社の記者達を集めて記者会見をしたのか。
「三人」×「八点」にしては大げさではないか。
学長、学部長、事務長が深々と頭を下げて陳謝したのであろうか。
記者たちの間からは、「頭を下げてすむ問題じゃないでしょう!」などと厳しい声が出たのであろうか。

ひょっとすると、朝日新聞は記事にするつもりはなかったのかもしれない。
しかし、せっかく奈良女子大学が恥をしのんでミスを告白したのに、記事にしないと軽く見ているようで悪いから、奈良女子大に花を持たせる意味で記事にしたのかもしれない。

あるいは、ひょっとすると朝日新聞は、日記のネタに困っている私のために、わざわざ記事にしてくれたのかもしれない。
イキな計らいである。