若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「ふ〜ん」

朝日新聞奈良版。

県知事定例記者会見において、記者から質問があった。

「久間防衛大臣の、『原爆はしょうがなかった』という発言についてどう思うか」

この質問に対して、荒井正吾知事は、「新聞やテレビの報道を見て、ふ〜んと思った」と答えたそうだ。

その答を聞いて、記者は、ふ〜んと思わなかった。

「ふ〜んと思った」はないでしょう、と思ったようで、重ねて、「ふ〜んと思っただけか」と質問した。
知事は、「しつこいやっちゃな〜」と思ったようで、改めて、「ふ〜んと思ったのだ」と答えた。

正直でよろしい。

もし、荒井知事が、「まったく許し難い発言です。広島、長崎の被爆者の感情を無視しているばかりでなく、核兵器廃絶、世界平和を願うすべての人々の願いを踏みにじるもので、怒りを通り越して悲しみを覚えます。防衛大臣としての資質が問われるというより、人間性に疑問を感じます。即刻、辞職すべきです」と答えたのなら、記者は、「ふ〜ん」と思っただろう。
記事にはならなかった。

久間さんも荒井さんも、東大出身の元官僚である。
なぜ、新聞記者を喜ばせるような、こんなにゆる〜い発言をするのだろうか。
政治家になるまでに、神経を張りつめすぎて、いまや頭のねじがゆるんでしまっているのだろうか。

あるいは、ふだん神経を張りつめすぎているので、何かの拍子に、ゆるんでしまうのだろうか。

二人とも、単なるアホではないはずだ。
周囲の空気が読めない、世渡りの下手な人でもないはずだ。
人の揚げ足をとることはあっても、揚げ足を取られることはなかったはずだ。

トシのせいなのか。
大臣、知事という地位のせいなのか。
大臣や知事になったときは、気をつけよう。

「しょうがない」+「ふ〜ん」は、「え〜かげんにしなさい!」+「ほんとにね」に匹敵する、「梅」+「うぐいす」的絶妙の取り合わせで、久間さんと荒井さんはイキもぴったり、古典万歳の名コンビ、二人ボケの世界で遊んでいるようだ。