若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

日本シリーズ

もうすぐプロ野球の日本シリーズということで、朝日新聞でその歴史などを取り上げている。

昭和39年は、阪神タイガース南海ホークスの対決であった。
両者譲らず3勝3敗で第7戦までもつれ込んだ。
甲子園球場で行われた決勝戦は超満員の観客でふくれ上がったと思いきや、なんと、入場者は1万5千人だったそうである。

その日は10月10日で、東京オリンピックの開会式だったのである。
日本シリーズが開会式にぶつかってはいけないと、シーズンの開幕まで早めたのに、悲劇的な事態になってしまったのであった。

それにしても阪神ファンも冷たいではないか。

オリンピックの開会式にまつわる悲劇をもう一つ知っている。

昭和39年10月10日に結婚式を挙げたA子さんの話である。

A子さんとフィアンセのB男さんは、「結婚式がオリンピックの開会式と同じ日だなんて、記念になっていいワ!ラッキー!私達ってついてるんだワ!」などと無邪気かつ浅はかにも喜んでいたそうである。

式は、神式により、ホテル内の式場において、厳かに、滞りなく執り行われ、お二人が晴れてご夫婦になられましたことを、新郎の直接の上司に当たられます仲人、○○株式会社第二営業部部長C様が謹んで報告され、披露宴に移ったのであるが、新郎の会社の同僚で本日司会の大役を仰せ付けられたところのDさんも、なにぶん不慣れなため不行き届きの点多々あるかと存じておりましたが、ご出席の皆様方の温かいご協力によりまして、本日の披露宴、数々のご祝辞、ご友人達からのほほえましいエピソードを織り交ぜながら、なにごともなく和やかにすすみ、それではこれにてお開きとさせていただきますという言葉が終わるか終わらないかのうちに出席者一同慌しく席を立ち、会場のドアに突進して外に出るやロビーに置かれたテレビに殺到し、中継中のオリンピック開会式を歓声をあげて夢中で見物するのを、取り残された新郎新婦はさびしくボーゼンと見守っていたということである。