若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「現説」

「現説」というのは「現地説明会」のことである。
分譲住宅ではなく、発掘遺跡などの説明会である。

掲示板に登場する、落王さんや、ちょびさん、昇寛さんは古墳ファンで、それで私も「現説」という略語を知った。

先日、テレビでパリのシャンゼリゼ古墳の現地説明会をしていたので落王さんに知らせたが、ご存知ないようであった。

シャンゼリゼ古墳は、五年前、パリ市街再開発事業に伴う工事の際発掘されたもので、同時に旧石器時代のものと見られるシャンゼリゼ通りの遺構が発掘されて大きな話題となった。

従来、遺跡の保存は、発掘された埋蔵物を博物館に展示してこと足れりとしていたが、最近では、遺跡全体の「復元保存」が主流となっている。
旧石器時代シャンゼリゼ通り」の復元保存は、フランスの国家的事業として行われていたが、このたび完成し、先日の現地説明会となったものである。

テレビ画面を通しても、完璧なまでの復元振りには目を見張らされた。
フランス文化省はじめ関係各位の労を多としたい。

旧石器時代というだけあって、敷石は見事なものであった。
街路樹は、現代の、マロニエではなく、分析結果に基づいて、高さ三十メートルのメタセコイアが植えられている。
夜ともなると、街路樹にたいまつがともされ、その明かりの下をネアンデルタール人の恋人達が毛皮をまとってそぞろ歩く。

ところどころにカフェテラスがあり、そこでもネアンデルタール人の恋人達は思い思いに玄武岩花崗岩に腰を下ろし、ニガヨモギやハリエニシダの葉をせんじた飲み物を飲み、松ぼっくりを半分に割って、バリバリとかみくだいている。

今回の目玉は、当時のパリコレクションの復元であろう。
旧石器時代から、パリはファッションの中心地で、春と秋のシーズンには、世界からバイヤー達が集まったと言われる。

テレビでは、紀元前42,153年のファッションショーを復元していた。
当時の人気デザイナー、イブ・イチニノサンローランの作品は、マンモスの皮を贅沢に使ったドレスであった。
興味深かったのは、このころからクロマニヨン人モデルが進出していることである。
ネアンデルタール人は、ガニマタで猫背で首を突き出して歩くので嫌われたらしい。

若草鹿之助商店海外旅行事業部では、「五泊六日旧石器時代シャンゼリゼ散策の旅:ネアンデルタールの恋人達」を企画、参加者募集中です。