禅問答というのがある。
どんなものか私は知らないが、なんとなく、わけのわからんものだろう、くらいに思っている。
意表をつく質問をして、常識的な物の考え方を突き崩すものなのだろう。
昨日書いた、「金魚に聞いてみたら」で思い出した。
夏の暑い盛りのことであった。
家内が、おやつに饅頭を出した。
私は、だいじょうぶなのかな、と思った。
一週間前、家内と百貨店に行ったとき買ったまんじゅうである。
その時家内が店員に
「どれくらいもちますか」
と尋ねたら
「一週間くらいです」
と答えるのを聞いていたからである。
私は
「このまんじゅう、だいじょうぶかな」
と聞いた。
家内は
「おまんじゅうに聞いてみたら」
と言った。
しゃれたこと言うじゃねーか!
私は、ガバと立ち上がると、まんじゅうに顔をぐっと近づけて、まんじゅうをにらみつけて大声で叫んだ。
「だいじょうぶかーっ!?だいじょうぶかーっ!?」
「もう!びっくりするじゃない!」
家内は、プリプリして言った。
この問答、びっくりさせた分、私の勝ちである。と思う。
数年前、家内の伯父が亡くなった。
火葬場で最後の別れをして、骨上げまでの間に皆で食事をした。
伯父の孫の、幼稚園くらいの姉妹が可愛かった。
妹の方が姉に何か言っている。
「おじいちゃん、いまごろどうしてるのかなー」
可愛いではないか。
姉が答えた。
「燃えてたりして〜」
「あははは、おじいちゃん燃えてるの」
「あははは」
リ、リアルではないか。