若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

結婚式

昨日の結婚式は、奈良のキリスト教会で行われた。

商店街に、キリスト教会があるというのは知っていたが、行くのははじめてである。
かなり長い階段を上って教会を見て驚いた。
完全な和風の建物で、屋根も一部は瓦、一部は銅葺きで緑青が青々としている。
控え目に立てられた十字架に気付かなければ、どう見ても、神社か、天理教の教会である。

牧師さんをつかまえて質問。
昭和五年の建物で、興福寺の隣ということで、和風建築にせよという指導を受けたらしい。
信者である宮大工が建てたという。
キリスト教に改宗した宮大工というのもなんかヘンな感じがする。
興福寺の土塀を隔てて、手のとどきそうな所に、南縁堂と三重の塔がある。
ここに教会を建てようというのもいい度胸である。

中に入ってなお驚く。
全く、神社か寺である。
総檜造り。柱といい、天井といい、窓の桟、格子戸、土壁。
キリスト教のにおいは皆無である。

だから、パイプオルガンのチューニングで、ぴ〜、ぴ〜と鳴る音も、雅楽の音色にしか聞こえない。
今にも神主さんか巫女さんが現れそうである。

式が始まり、新婦と父上が赤いじゅうたんの上を祭壇に向って歩いて行かれた。
バージンロードと言うそうだ。
その横にグレーのじゅうたんがあって、新婦の祖母が歩いて行かれた。
バーチャンロードと言うそうだ。

私たち列席者も賛美歌を歌うように言われたが、なじみの無い歌ばかりであった。
楽譜は渡されているが、私のように、コールユーブンゲンをマスターして、音符を見ればすぐ歌える能力の無い人間は困る。

神父さんが、二人に「忠実であることを願いますか」と言われたのは意外だった。
「誓いますか」と言うのだと思っていた。

ウエディングドレス姿の花嫁さんの側に、振袖の女性がいて顔がよく似ているので妹さんだろうと思ったら、双子なのであった。

披露宴では、新婦のおじさんが、「楽は苦の種、苦は楽の種」という言葉をお二人に贈りたい、と言われた。
こういう、あまりにも、面白くもおかしくも無い!という言葉もいいものである。

以前出た披露宴で、初老の男性が新婦に贈った言葉には驚いた。
「妻というものは、若いときは娼婦のごとく、中年にあっては秘書のごとく、老年においては看護婦のごとく」夫に尽くしなさいと言われたのである。

「挨拶文例集」に出てるんでしょうか。