若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

天王寺動物園のカバ

朝刊の「週刊新潮」広告。
トップ見出しが、「小泉首相、正月イラク電撃訪問」
これは、数日前私がお伝えしたところである。
私の、北朝鮮情報、イラク情報について、いい加減なことを書くなと言うご意見があるが、私は長年にわたって独自に培ってきた、霞ヶ関と永田町の情報網を使って論じているので、これからも若草鹿之助の国際情報にご注目いただきたい。

朝の駅前演説。
いつもヘンな事を言う県会議員のTさん。
「え〜、この奈良盆地は、寒暖の差が極めて激しいところでございます。このところ皆様のご出勤時におきます冷え込みが非常に厳しくなっております。この点に関しまして、皆様方におかれましては、お風邪など召しませぬよう注意していただきたいと思うしだいでございます」

昨日書いたように、天王寺動物園には高校の頃何度か行ったが、その後ご無沙汰であった。

二十年ほど前、長女が幼稚園の遠足に喜び勇んで出発して、次女が淋しそうにしていたので、動物園に行くことにした。
雨あがりの、まだ降りそうな肌寒い土曜日で、園内は人影もまばらだった。

娘を肩車して歩いた。
この年頃の子供というのは、肩車をしたくなるような体重である。

カバのところに来た。
客は私たちだけだ。
カバが一頭向こうの方でこちらにお尻を向けていた。
お尻しか見えない。
肌寒い人影もない動物園で、娘を肩車してカバのお尻を見ていると、生きていくことの悲しさみたいなものを感じて、しみじみとした、切ない気持ちになってくるのであった。

と、娘が叫んだ。

「こっらー!カバ〜!こっち向け〜!」

静かな園内に娘の声が響き渡った。

ガラの悪い子やな〜!親の顔が見たいワと、カバがゆっくり顔をこちらに向けた。

「あっ!」
娘が小さく叫んだ。
身体がこわばったのがわかる。

カバは緩慢な動作でこちらに向き直った。
ゆっくり私たちに向かって歩き出した。

娘が情けない声を出した。
「あ〜・・・パ、パパ・・・降りる〜」

カバはノシノシ進んできた。
娘は足をばたつかせて悲鳴をあげた。
「あ〜ん!パパ!パパ!降りる!降ろして〜!」

カバはスピードを上げて近づいてきた。
「ぎゃ〜!降りる〜!降りる〜!」
娘は泣き叫びそっくり返り私の頭をたたき髪の毛を引っ張った。

カバは地響きをたてて突進すると、一気に柵をつき破って私たちに迫った!

つづく