箱根駅伝を見ていたら、アナウンサーが、今年はゴジラ誕生50年です、と言った。
そうなのか?
駅伝の実況中継をしているアナウンサーがなぜそんなことを言ったかと言うと、駅伝のコースに、「ゴジラ初上陸の地」があるからだ。
「ゴジラ初上陸の地」というのは今回が聞きはじめであるが、記念碑を建てるくらいの値打ちはある。
小学校3年生のとき見た「ゴジラ」は、私にとってこれまででもっとも恐ろしかった映画だ。
ゴジラが最初に顔を見せる場面、放射能を吐く場面、オキシゲンデストロイヤーだったかで殺される場面等、とにかく恐ろしかった。
当時読んでいた少年雑誌に、読み物の「ゴジラ」が掲載されて、「ゴジラは、断末魔の叫びをあげて海底に沈んでいった」という文章があった。
この、「断末魔の叫び」というのが、なんと恐ろしい言葉だろうかと思った。
ゴジラと同じくらい恐ろしかったのが映画館の客であった。
父と行った布施の「リオン座」の混雑ぶりは凄まじかった。
映画を見終わって出ようとするのだが、入ってこようとする客の勢いで出るに出られない。
もみ合ううちに私は下駄で足を踏まれて怪我をして、病院に行った。
ゴジラは実際に怖かった。