若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

身近に感じる使い込み

朝刊に、「大阪観光ビューロー」の職員二人が、二億数千万円使い込んだという記事が出ていた。

身近に感じる事件だ。

「大阪観光ビューロー」というのは、亡くなった伯母が勤めていた「大阪観光協会」や、その他の観光に関する団体が統合されて最近できたものらしい。

伯母は、戦後すぐ「大阪観光協会」の設立に携わり、長年「カネ」の苦労をしていたようだ。
伯母の遺した膨大な日記には、協会創立時、広告を取りに回って門前払いを食った苦労話などが書かれている。
大阪市の外郭団体として、協会自体が複雑微妙な組織であったようだし、伯母自身も、専属職員として、市役所の職員のなかで複雑微妙な立場であったようだ。

当時、「協会のカネ」も複雑微妙な「カネ」だったようだが、財布を握っていた伯母は、その立場を利用するだけの才覚がなかったのだろう。
「お嬢さん」であった伯母は、複雑微妙な世界をうまく泳ぐことができなかった。

頭も良くて美人だったから、伯母にその気があれば、周囲の男たちを手玉にとって、「大阪観光協会の女帝」として君臨し、一桁違うが、二千数百万円くらいは使い込んで、カネと男の一大スキャンダルで新聞種になっていたかもしれないのにと思うと残念な気がする。

時代が違うとはいえ、「二億数千万円の使い込み」と聞いたら伯母は腰を抜かした思う。