若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

雨の若草山に別れを告げた

若草山で歌っていてうれしいのは、子供達が楽しそうに聞いてくれることだ。
べつに私の歌唱力のせいではない。
子供にとっては、機械的に1オクターブ高くした声で私が歌うのが不思議なのだ。

いつだったか、私が歌っていると、子供達がだんだん近づいてきたことがある。
子供の輪が迫ってきたのだ。
みんなものすごく真剣に私を見つめている。
「このおっちゃん、どーなってるんやろか。どこかこわれてるのとちがうか?」

子供たちの真剣な顔を見ているとおかしくなって、ふきだして歌えなかった。

今年は雨のせいで子供の数は少なかったが、やはり楽しそうに聞いていてくれたと思う。
間奏に入ったとき、3歳くらいの男の子を連れたお母さんが、私に向かって
「鹿之助〜っ!」
と叫んだ。

一瞬、ムカッとした。
なぜ呼び捨てにするのだ。
すぐ気づいた。
私は今呼び捨てにされる立場なのだ。

ローリングストーンズのライブで、ミック・ジャガーに声をかけるのに
「ミックさん!」とは言わんだろう。
「ミック!」だ。
それと同じだと思い直した。

2番を歌い始めて、息が苦しいのに気づいた。
こういうテンポの速い曲を歌うのは体力的に無理があるようだ。

2曲目の「鹿せんべいツイスト」を歌いだしたときは、雨の中の奇特な二十数人の観客の顔はすべて覚えていた。
その中で、中年の女性がずっと私といっしょに歌っているのに気づいた。
歌詞を完全に覚えているようだ。
誰じゃ?

歌い終わってから分かった。
インターネットで知り合ったpさんだった。
以前CDを送ったから覚えてくれていたのだ。
来てくれると思っていなかったので、歌っている間実に不思議な気がした。

歌い終わるとすぐ、丑之助君とセンベー君とで居酒屋で反省会をした。
私は、体力不足であることを反省した。
私より年上のミック・ジャガーが長時間の激しいステージをこなすのに比べて恥ずかしいと言ったら、丑之助君とセンベー君から、なぜミック・ジャガーと比べるのかと言う疑問が提出された。

色々反省点はあったが、三人の意見が一致したのは、「鹿せんべい飛ばし大会」開始以来12年間で一度しか晴れなかった3月20日前後の開催はやめたほうがよいと言うことであった。

家に帰ると、毎年のことだが家内が言った。
「今年で最後にしときね」」