若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

恋とはどんなものかしら

次女の高校時代の友達のA子さんが結婚するそうだ。

次女は、高校は音楽科に行った。
発表会はよく聞きに行ったので、次女の友達は記憶に残っている子が多い。

声楽科だったA子さんのこともはっきり覚えている。
彼女は、ある発表会で「フィガロの結婚」の「恋とはどんなものかしら」を歌った。
可憐な美しい曲だ。

A子さんは、特に才能に恵まれていたわけではないだろう。
努力家であったわけでもないのだろう。
彼女が歌う「恋とはどんなものかしら」は、声はか細く、音程も不安定で、私は素晴らしいと思った。

この曲を有名な歌手が歌ったCDも持っているし、テレビでイタリアだったかドイツだったかのオペラ歌手が歌うのを見たこともある。

その中で、私はA子さんの歌が一番良いと思った。
思春期の、不安なあこがれるような気持ちが出ていると思った。

一流歌手が歌うと立派すぎると思う。
声も体格も風貌も堂々としている。
「恋とはどんなものかしら」という感じがしない。

「そんなモン知ってます」という感じだ。
「教えてあげましょか」という感じだ。

うまいばかりが歌じゃない。
エレキギターもそうだ。

何の話か。
歌の話だ。

以前テレビで歌劇を見た。
舞台は昔の西洋の農村だ。
領主の家の前で、農民達が領主の娘マリアの目覚めを待って歌っている。

「♪ああ、美しいマリアさん。太陽が昇りました。朝ですよ。早く窓を開けてあなたの美しい顔を見せてください。私たちは、あなたのさわやかな笑顔を見るのが楽しみです。ああ、美しいマリアさん

農民達の歌声に応えるように二階の窓が開き、マリアさんが顔を出した時、私はあっと驚いた。

地方巡業でこの村に来た相撲取りかと思ったのだ。

マリアさんも歌はうまかったが、うまいばかりが歌手じゃない。
エレキギターもそうだ。

娘の友達でバイオリン科の子がいて、彼女が所属していたバイオリン教室の発表会に行ったことがある。

小さな子が大勢習っているので驚いた。
フィナーレは全員による「キラキラ星」の合奏だ。

三歳くらいの子は、バイオリンを弾いているというより、頭を振っているというか、お尻を振っているというか、どっちでもいいけど、とにかく、可愛い!

うまいばかりがバイオリンじゃない。
エレキギターも・・・しつこい。