若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

アメリカインディアンの知恵

昨日の朝日新聞天声人語」で、「アメリカインディアンの知恵に学べ」みたいなことを書いている。

「物事は、すべて関係しあっている」
「何かを決めるときは、七代先のことまで考えなければならない」

これのどこがアメリカインディアンの知恵なのか。

「隣のおっちゃんが言うてた」
「ウチのじいさんの口癖やった」

それでは迫力がないので、アメリカインディアンを引っ張り出すのだろう。
「明日から生かせる聖書の知恵」とか「おばあちゃんの台所の知恵」とか、「知恵」というのを手軽に使える便利な道具みたいに扱うのは知恵がない証拠だ。

アメリカインディアンで記憶に残っているのは、どこかで読んだ「七部族連合酋長会議がマサチューセッツ植民地議会に送った返事」だ。

マサチューセッツ植民地議会が、七部族連合酋長会議に手紙を出したのだ。
「あなた達の若者を三人、私たちの学校で学ばせませんか。教育費、生活費は私たちが出します」
この「私たちの学校」が、後のハーバード大学だ。

その手紙を受け取って、七部族連合酋長会議が開かれた。
会議は、テントでタバコを回し飲みしながら行われたのだと思うが、確かなことは知らない。

そして、会議の決定に基づいて返事が書かれたのだ。
「あなた達の親切な申し出に感謝します。しかし、私たちには私たちの教育がありますので、お断りします。感謝の印に私たちからも提案します。あなた達の若者三人を私たちに預けませんか。私たちのやり方で教育してさし上げます」

マサチューセッツ植民地議会も、七部族連合酋長会議も立派なものだ。

それにしても、物事はすべて関係しているということを理解することや、何かを決めるときは七代先まで考えて決めるということは、なんともまあ難しいことではないか。