救出作戦に誰があたるか｡
外務大臣、副大臣、官房長官、全員顔でダメだ。
なめられる。
私は、首相と外務省に、過去の経緯は水に流して、鈴木宗男氏を起用することを提案する｡
あの顔なら大丈夫だ｡
鈴木氏に武装グループとの交渉を一任する｡
彼は、ＯＤＡ利権で培ったウラ人脈を駆使して、直ちに武装グループとの接触に成功する｡
「いや〜、どーもどーもどーもど〜〜もっ！」
笑顔を振りまいて武装グループのメンバーと握手して肩をぽんぽんたたけるのは彼くらいのものだ｡
「どーも！鈴木ですっ！
どう、元気にやってる！?
そう！よかったよかった！
なにこれ？あ、ロケット砲？いいの持ってるねー！
でも、いまもっといいのでてるよ｡軽くってさ。
今度持って来るよ｡え？武器禁輸法？イヤ、よく知ってるねー！
でも大丈夫！まかせて。
抜け穴なんかいっくらでもあるんだからー。
こっちはそれでやってきたんだからさ。
ムネオハウス、知ってるでしょ。今度はムネオ砲にムネオ爆弾だな。
わかりますよー、あんたたちの気持ち。
ここ、暑いもんねー。
砂と暑さ！
大変だよね、こりゃ。
ホント、都会の奴らにゃわかんないよな〜。
ブッシュのバカに何がわかるって！
あ、えらいこと言っちゃった。
あーはっは！
これ、ないしょだよ。シークレットシークレット！
私ネ、クニが北海道なんですよ、北海道。知ってる?
雪と寒さですよ｡
ここは、砂と暑さ｡
だから、わかりますよー、あんたたちの気持ち。
都会の奴らに何がわかるって！
友好の証に一曲歌いましょう」
ここで持参の浴衣に着替える｡
靴はそのままだ｡
「クニの民謡です。
民謡。わかる？ホークソング！
あんたたち、踊ってね｡
イヤ、だいじょぶ。あんたたちもよーく知ってっからサ。
『コーラン節』！なーんちゃって！
じゃ、手拍子よろしくお願いします。
ハア〜〜〜、ヤーレンコーランコーランコーラン・・・」
威勢良く歌う鈴木氏を取り囲んだ武装グループのメンバーは銃を取り上げ鈴木氏にねらいを定めた。
続く
