大和文華館は家から歩いて行ける。
庭も広くて、四季折々の楽しみもあるから、よく行くかというとそうでもない。
今日は久しぶりに、「江戸時代の絵画展」を見に行った。
国宝「婦女遊楽図屏風」と、重要文化財、尾形光琳「中村蔵之助象」などが展示されていた。
この二点は、たぶん、この美術館が誇る収蔵品なのだろう。
何度も見た作品だが、国宝と重要文化財というだけあって、何度見てもよろしい。
特に「婦女遊楽図」は、楽しい。
日本美術の中でも一、二を争う派手な絵だと思う。
非常に大きな屏風で、ほぼ等身大の女性が十数人描かれている。
みんな似たような顔で、煙草を吸ったり、三味線を弾いたり、化粧したり、トランプをしたりしているが、とにかく着物の柄がとんでもなく派手だ。
金地に、派手な着物がずらりと並んでいるのだから派手派手だ。
江戸時代初期の作品という事で、その時期の着物について私はよく知らないが、ここに描かれた女性達は、着物の下に「Tシャツ」を着ているように見える。
かっこいい。
作者はわかっていないようだが、この絵を描いた人は、あまりうまくないと思う。
ただ、自分が「美しい!」「かっこいい!」と思ったものを、一生懸命に描いている感じがするので、見ていて楽しくなってくるのだと思う。
こういう他愛ない、精神的に深い感動を与えたり、敬虔な感じを与えたりしない、何の役にも立たないような絵が国宝に選ばれていることが非常にうれしい。