若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

スポーツとカネ

昨日の高校野球の決勝戦は、北海道を応援した。

半年は雪に閉ざされ、恐ろしい雪嵐がうなりを上げるなか、ツキノワグマの叫びにおびえながら、ユニフォーム、ヘルメット、グローブ、ベースに「ホカホカカイロ」を詰め込み、流氷に閉ざされ凍りついたグランドでスケート靴を履いて白球を追って練習する蝦夷地の球児たちに栄光あれ!と、心の中で叫び続けたかいあって、「駒大苫小牧」という早口言葉のような学校が優勝して感動の校歌を聞けば、「栴壇林栴壇林」と、なるほど仏教系らしいお経のような言葉が出てくるのがいっそうありがたく聞こえたのであったが、今朝の新聞を見ると、「ドーム球場」とはいかないまでも、東北北陸北海道の学校には屋内練習場を備えたところが多く、練習できないのは高いフライぐらい、春休みの県外合宿は常識で、駒大苫小牧もこの春は沖縄でキャンプじゃなかった合宿と聞けば、なるほど、やっぱり、と納得せざるを得ず、我が心の北の大地のロマンはもろくも崩れ去ったのであった。

もちろん、カネをかければすむものではないだろう。

昔、親戚の富山の高校の先生の話を聞いた。
甲子園の常連校に勤務されていたのだが、高校野球の話になった時、「勝てば金がかかるんでねー」と苦笑いされた。

なるほど、と感心したのであった。

長女の中学の野球部が全国大会に出たことがある。
PTAで寄付金を集めることになった。
役員をしていた家内は、近くの商店街を回って、皆さんが気前よくカネを出すので驚いていた。
「優勝したら100万!」なんていう人もいたそうだ。

あっという間に何百万か集まった。

この中学は陸上部が強くて、全国大会には何度も出ていたが、学校をあげての寄付金募集などしたことがなかった。
陸上部の父兄から不満の声が上がったのは当然だ。

それに対しては、「誰が陸上にカネ出すんや」の一言で終わりなのであった。
もっともであるが、流行は変わるので今ならどうだろうか。

長女が進んだ高校は、甲子園に何度も出ていて、私も寄付金集めを経験した。
出場が決まった日に、近くの老舗のお菓子やさんが、学校に500万円持ってきたという話には驚いたが、とんでもない金額がまたたくうちに集まるので、少々のことでは驚かなくなった。

スポーツにはカネがかかるし、そのカネを喜んで出す人がいる。