私たちの結婚記念日である。
28回目だ。
と思う。
めでたいこの日に花を添えるような、「11月7日は○○記念日」というようなのがないかと、「今日は何の日」で探してみた。
11月7日は、「知恵の日」だった。
朝日新聞が、「知恵蔵」という事典を出したのを記念して決めたそうだ。
11月7日は、「鍋の日」だった。
「だしの素」等のメーカーの、「ヤマキ」が決めたそうだ。
そろそろ鍋物の季節ということらしい。
ロシア革命の記念日でもある。
ろくな記念日が無い。
娘達が幼稚園の頃だった。
三人で風呂に入ってると、長女が言った。
「11月は、あれやったなー。誕生日じゃなくて、う〜ん・・・」
次女が叫んだ。
「結婚記念日!」
「そうそう!結婚記念日!
おじいちゃんとおばあちゃんも結婚記念日ってあるのかなー?」
「もうないわ!おじいさんとおばあさんやもん」
「あるかもしれんよ。
パパ、70歳になった時、考えてみたら?まだ結婚記念日があるかどうか。
パパ、パパが70歳になったら、おじいちゃんいくつ?」
「う〜ん、100歳くらいかな?」
「そーか・・・100歳か・・・それとも死んでるかもしれんね」
先日、ある友人が、私たち夫婦のラブラブアツアツぶりにあきれて言った。
「結婚、何年?28年?新婚さんみたいやなー」
私は自慢のベルベットボイスで答えた。
「永遠の愛を誓ったボクたちにとって、28年は一瞬なのさ」
一瞬のような永遠のような気まずい沈黙であった。