毎朝、電車から、「黒川紀章設計」のホテルが見える。
こんな建物、別に黒川さんでなくても、と思えるようなホテルだ。
開業時には、大々的に「黒川紀章」と書いてあった。
昔、ラジオで黒川さんの話を聞いたことがある。
アナウンサーの、「今日のお話は、建築家の黒川紀章さんです」という案内に続いて黒川さんが話し出した。
「先日ニューヨークで、『世界建築会議』が開催されました。ドイツからは○○博士、フランスからは××教授など、世界各国からそうそうたるメンバーが出席しました。日本からは代表として私が参加いたしました」
ちょっと引っかかる言い方だったので黒川さんに質問。
「つまり、黒川さんも『そうそうたるメンバー』だと言いたいんですね」
「そうそう」
「えーかげんにしなさい!」
「ほんとにねッ!」
今朝は、そのホテルの前の道路の両側に、制服姿のボーイたちがずらりと並んでいた。
出発するお客様をお見送りするのだろう。
私は見送ってほしいとは思わない。
お見送りは、出棺のときだけで結構です。
ナイトクラブ経営者の講演を聞いたことがある。
九州では有名なナイトクラブらしかった。
その人が経営を始めたとき、ホステスに、客のテーブルに着くときはひざまずいて挨拶するよう指導したそうだ。
それが評判になって、このクラブは大繁盛だそうである。
男には二種類ある。
女性にひざまずかれて喜ぶ男と、私みたいに女性にひざまずくのを喜ぶ男だ。
もっとも、最近はひざが痛いので、私の前に立たれたからといってひざまずきませんのでご了承ください。
昔はひざが痛くてもがんばった。
娘二人の「おウマさん」になったときだ。
二人を背中に乗せてパカパカすると喜ぶので、張り切ってパカパカするうちひざが痛くなった。
見ると出血していた。
で、バレーボール用のサポーターをひざにつけてパカパカしたのである。
「血染めのサポーター」と言っても、「アタックナンバーワン」や「サインはV」の話ではありません。