インフルエンザの予防接種に行く。
去年、インフルエンザで死の苦しみを味わったので、今年は絶対予防注射をしようとかねてより決意していたのを、本日ついに実行に移したのである。
今年はワクチンで楽チンだ。
かかりつけのお医者さんに行く。
いつも行く時は、37度ほどの高熱にうなされ、息も絶え絶え、夢遊病者のようであるが、今日は元気にドアを開けた。
窓口は薬剤師をしておられる奥さんだ。
このあたりも、病院が増えて競争が激しくなって大変だと言っておられた。
近所に、いろんな医院が集まった「病院ランド」みたいな場所ができたのである。
「インフルエンザの予防注射をお願いします」
「いらっしゃいませ!ありがとうございます。今週は、この一年間のご愛顧におこたえしまして、メンバー感謝特別セールを行っております。セール期間中は、インフルエンザ予防接種通常価格2500円のところ、2300円とオトクになっております。また、予防接種とビタミン注射をあわせて3200円と、さらにオトクなクリスマスセットもご用意しております。注射の跡が赤くはれ上がれば1等賞、紫色になれば2等賞!ステキな賞品をゲットしちゃおう!」
「クリスマスセットでお願いします!」
名前を呼ばれて診察室に入って行くと、「ジングルベル」が鳴り響き、先生がサンタクロースの格好で座っておられた。
「若草さん、今日は何ですか」
「ボクチンにワクチンお願いします」
「ワクチンより赤チンじゃ!」
先生は、看護婦さんが持ってきた赤チンを私の鼻の頭に塗って、口にバンソウコウを貼った。
これで今シーズンは大丈夫だ。