「旅」という雑誌の広告。
特集が「強い神様のいる神社に行こう」
初詣に行って、願い事をかなえてもらいたければ、「強い神様」の神社に行かないとダメ、というのだ。
もっともである。
神様に甲乙をつけるというのが、多神教の楽しい所だ。
「どの神様が効くか」というのは、古来問題になっている。
例えば、蒙古襲来のとき、朝廷や幕府は、全国の神社や寺院に外敵退散の祈祷をさせた。
日本中の神様仏様が一斉に立ち上がったのでこれは効きました。
神風が吹いて蒙古軍は逃げて帰った。
そこでめでたしめでたしのはずだが、そうはいかなかった。
全国の神様仏様は一斉に立ち上がったが、一致団結、手に手を取って立ちあがったのではなかった。
各自バラバラに立ち上がったのだ。
それで、「外敵退散統一キャンペーン」に参加した神社やお寺が、ウチのご祈祷が一番効いたのだから、ごほうびたくさんちょうだい、と口々に言い出したのだ。
中には、中国まで使者を派遣して、「お宅のご祈祷が一番こたえました」という証明書をもらってきた神社もあるそうだ。
これには、朝廷や幕府も困ったそうである。
最近、小泉首相の元に、いろんな神社や寺院から、日米同盟やミサイル防衛網も良いが、万一の場合、ウチが北朝鮮のミサイルを祈り落としてあげましょうという申し入れが相次いでいる。
これに対して首相は、「国防に関心を持っていただくということは非常に結構だと思いますね。政治と宗教という些細な問題にはとらわれず、ハード面、ソフト面、様々な面から考えて行く必要があると思います。伊勢神宮が良いのか、靖国神社がいいのかなどを含めて、防衛庁につめさせています」と積極的な姿勢を見せている。
今回発行された「旅」という雑誌では、初の試みとして、受験に効くという全国の天満宮の偏差値を発表しているので、受験生は参考にすると良いだろう。
別冊付録「神社ミシュラン」は、「一目でわかるダメ神社!」をキャッチフレーズに、全国の神社を星の数で採点。(星五つが最高評価)
「全日本神社ソムリエ協会」公認の、「神社ソムリエ」五人による、「ここはお賽銭をどぶに捨てるようなもの!」などの辛口の評が人気を呼んでいる。