若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

今日は本番

いよいよ待ちに待った(誰が)ライブの日である。

バンドの名前は、ボーカルのYさんがつけた。

「THE VINTAGE GOODS」

オールディーズをやるにふさわしい、かっこいい名前だ。
名前はかっこいいが、いろいろ問題を抱えている。
問題を抱えていると言うより、問題児を抱えていると言った方がいいかもしれない。
ひどい人は、問題児と言うより問題爺だと言うかも知れない。

ドラム、ギター、ボーカルの50代〜60代の三人だ。

ドラムのIさんは、歴40年のベテランだが、今回やる7曲が、頭の中でごっちゃになっているようだ。
たしかにみんな似たような曲だ。
どういうスピードでたたき出すか、予測不可能なのだ。

昨日も再三、速すぎ、遅すぎがあった。
不安なので、本番では、曲が始まる前に、私が客に説明するフリをして、「次の曲はゆったりしたテンポの曲です」などと合図を送る事になった。

ボーカルのYさんは、ステージではこれまで入れ歯固定用の「ポリデント」を用意するだけだったが、今回は曲数が多いので、携帯用酸素ボンベを用意した。

はじめ、間違ってヘリウムボンベを買ったらしい。
ヘリウムを思い切り吸い込んで歌ったら、私の「鹿せんべいツイスト」みたいな声になったので、私に取り付かれたのかとぞっとして、あわてて般若心経を唱えたそうだ。

さて、私のギターであるが、これは、ギターを持つと指がひきつって硬直する特異体質だからどうしようもない。

習いだしてすぐこの体質に気づいた尊師は、二年間、ヤマハの科学的トレーニングメソッドにより私の体質改善を図ったが効果が見られなかった。
三年目からは、尊師の黒魔術に頼る事になったが、十年間改善が見られない。

そこで、去年の暮れ尊師は、「来年は化学療法を導入しましょう」と言われた。
「筋弛緩剤」を注射しようと言うことだ。
危険な賭けだがやってみる価値はあるだろう。

恍惚漢じゃなかった硬骨漢と言われた私が、今年ふにゃふにゃになっていたら、筋弛緩剤のせいです。