NHKが何年か前に放送した、従軍慰安婦問題を取り上げた番組が問題になっている。
その番組では、模擬裁判が行われて、昭和天皇が被告人という設定だったようだ。
「模擬裁判」という言葉が情けない。
何の緊張感もない言葉だ。
「裁判ごっこ」か。
趣味の悪い遊びだ。
「模擬試験」のほうがはるかに真剣みがある。
「模擬裁判」の被告人は、ねずみ小僧次郎吉くらいがちょうどいいと思います。
その番組に関して、当時の安倍官房副長官がNHKに対して圧力をかけたのではないかという、NHK職員の告発があった。
「圧力をかける」というのは実に微妙な言葉だ。
もっともスマートな圧力は、じろりとにらむことだろう。
安倍さんの目は、にらめる目だと思う。
私はにらめません。
私にできるのは、せいぜい流し目くらいだ。
自慢じゃないが、ひんがら目もできない。
「ひんがら目」というのは「寄り目」のことですよ。
家内やウチの娘たちは、ひんがら目が得意だ。
三人で実に見事なひんがら目を見せてくれたものだ。
最近はしてくれない。
次女が小さいとき、私が何かで叱ったことがある。
私が叱った瞬間、次女がぱっとひんがら目をしたので私は吹き出してしまった。
私の完敗であった。
ひんがら目ができる人がうらやましい。
なんの話か。
圧力鍋じゃなかった、圧力の話だ。
この「圧力をかける」という微妙な問題について、昨日安倍さんがいろいろテレビでしゃべっていた。
見ていて、こういう微妙な問題については、国会で追及するよりも、好きなようにしゃべてもらったほうがよくわかると思った。
この微妙な問題について、安倍さんが微妙な立場にあるということが、安倍さんの微妙な目の動きでわかった。
安倍さんは、いろいろ突っ込まれて、答えに窮する場面もあったが、そういうときにパッとひんがら目をして見せたら人気が出ると思う。