青色ダイオードの発明対価として8億円(利息込み)を、会社が発明者の中村氏に支払うという和解案が成立した。
前の裁判で示された200億円とえらい違いで、中村さんは不満なようだ。
青色ダイオードの開発に携わった事のある静岡大学の元教授が、朝日新聞にこの件について書いておられる。
青色ダイオードに関しては、先ごろ文化功労者として顕彰された赤崎さんという方が長年研究されてきた。
中村さんの偉業はその成果があって可能になったものである。
だから、この開発に対して贈られた数多くの科学賞は、お二人の連名になっている。
ところが、お二人は、講演や著作で互いに無視しあったままだという。
元教授は、お二人が、互いの業績を認めあい、称えあったらどんなにかすばらしいのにと残念がっておられる。
そうですか。
無視しあい、いがみ合っている方が私は好きです!
中村さんが、赤崎さんの長年の研究に敬意と感謝の念を表明し、8億円の半分を赤崎さんに進呈すると言い、赤崎さんは辞退すると言い、譲り合ったあげく、結局二人で8億円を津波被害者に寄付するというような事になったら面白くない!
いがみあえばこそ、私のような「相田みつお直系癒し系詩人」の出番がある。
「青色ダイオードの詩」
中村さんと赤崎さんがいがみあっている。
いいじゃないか、いがみあったって。
人間だもの。
いがみあっている二人が美しい。
そのままでいいんだよ。
青色ダイオードだって、青色のままじゃないか。
紫色ダイオードや金色ダイオードになろうなんて思ってないよ。
いいじゃないか、何色だって。
8億円だもの。
茶色ダイオードでも、ねずみ色ダイオードでもいい。
いがみあっている二人を見て喜んでいるぼくがいる。
いいじゃないか、喜んだって。
人間だもの。
8億円と聞いて、指をくわえているぼくがいる。
いいじゃないか、指をくわえたって。
人間だもの。
二人の気持ちが、ぼくにはとってもよくわかるんだ。
わからないことが一つある。
青色ダイオードって、なんじゃ。