大阪市の職員厚遇が問題になっている。
大阪市が、180億円の優遇措置打ち切りを通告し、労働組合が抵抗している。
カラ残業とか、やみ手当てとかがいけないという意見が多いが、前にも書いたように、サービス残業や過労死、リストラよりはるかにすばらしい。
日本の労働者が誇るべき成果だ。
市役所に連日多数の抗議の電話がかかるそうだが、ほっておけばよろしい。
電話をかけてくる人は、タイガースの優勝で道頓堀に飛び込むような人だ。
中には、「労働組合は組合員のことより市民のことを考えろ」などとトンチンカンな事を言ってきた人があるそうだ。
大阪を代表する典型的なアホとして表彰すべきだ。
阪神タイガースと読売ジャイアンツが試合をして、30対0でタイガースが勝ったとする。
タイガースを、取り過ぎだと非難するのはおかしい。
責めるなら、取られすぎたジャイアンツだ。
労働組合は、組合員のために戦って180億円勝ち取ったのだ。
誰が考えても、よくやったとほめるべきではないか。
文句を言いたいなら、相手は市長や助役や市会議員だ。
ところが市の労働組合は、11億円分の優遇措置の廃止に同意した。
あまい。
何年か前、トヨタの組合が賃上げを要求した。
数字は忘れたが、例えば5100円。
会社側は5000円を主張して、100円で大変にもめた。
当時のトヨタの利益が何千億円で、その100円の賃上げを認めると、10億円くらいの負担増になると言うのだ。
その時のトヨタの粘りに比べて、今回の大阪市の労働組合はあっさりしすぎだ。
大阪市民には、一市民としてではなく、日本国民としての自覚を持って大きな目で物事を見てもらいたい。
日本のいたるところで、サービス残業が当たり前になり、過労死やリストラなどによる自殺者が大変な数にのぼっている。
日本の労働者全体としてバランスを取るためには、180億円程度ではとても足りない。
大阪市労連は、日本の恵まれない労働者の希望の星だ。
大阪市職員並みの優遇を受けている、トヨタ、松下などの優良企業の労働組合員の間からは、大阪市労連と連帯して闘おうという声があがっている。
その代わり、大阪市もトヨタの「カンバン方式」を導入する。
市役所や区役所に、「トヨタ」と書いた看板をぶら下げるそうなので、能率の改善が期待される。