若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

企業の犯罪

コクドの堤前会長が、逮捕された。

前会長だけが逮捕されたとはいえ、企業ぐるみの犯罪に違いないだろう。

山本夏彦さんは、「株式会社というのは、個人ではできない悪いことをするための組織だ」と言っている。
そして、ご自分が出版社を経営している経験を踏まえて、「うちのような小さな会社でも悪いことをしている。大きな会社が悪いことをしていないはずはない」と断言している。

ちょっと言いすぎだ。
会社に限らず、どんな組織も、個人ではできないような大事業を行うことができるし、個人ではできないような悪いことや恥ずかしいこともしやすいということだろう。

堤前会長は、帝王として君臨してきたそうだ。
こうなるとすぐ、「裸の王様」と言われる。
王様は、城であるプリンスホテルで暮らしていたそうだ。

社員には絶対服従を求めた。
ひざまずく家臣に対して、絶対者として一方的に命令し、詰問し、叱責し、裁いてきた。
自分が「法」だったのだ。
その人が、東京地検特捜部のきびしい取調べを受けることになったのだ。

昨日から行われた取調べの一部が伝えられた。
今後の捜査に影響を及ぼさない範囲のものとはいえ生々しい内容だ。
取調べは、まず、担当検事による本人確認から始まった。

「コクド前会長堤義明さんに間違いありませんね」
「はい、間違いありません」
「あなたを、証券取引法違反の疑いで取り調べます。
 堤さん、つつみ隠さず白状しなさい!」
「うまい!いやー、参りましたなー。『お笑い検事』のおうわさはかねがねうかがっておりましたが、いきなりそう来るとは!恐いばかりが検事じゃない、笑いで落とす人情検事!イヨッ!にくいネッ!こんちくしょう!」
「誰が畜生じゃ!いや、ぶっちゃけた話、これが言いたかっただけなんよ。もう帰ってよろしー」
「ほんじゃ、失礼します」
「んなわけないじゃろ!」
「やっぱりネッ!ところで検事さん、私はこれからどうなるんでしょう」
「ご心配なく。あなたの社会的地位やご高齢に配慮して、これまでと変わりなく暮らしていただけるよう手配してあります」
「いやー助かります!」
「これまでプリンスホテルにお住まいでしたね」
「そうです」
「プリンス暮らしがプリズン暮らしになるだけです」
「ラッキー!」
「えーかげんにしなさい!」
「ほんとにネッ!」