若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

和食ブーム

きのうのテレビ。和食が世界に進出しているそうだ。
自動車や電気製品よりうれしい。
「安くて優秀であると認めます」じゃなくて、「好きです」と言われたみたいだから。

フランス人が、味噌のことを、「ミゾ〜」なんてヘンな発音で言うのも楽しい。
昔、日本の文学者達が中国に行った。
料理店では、通訳が出てくる料理を説明してくれた。
「次は蟹の料理で、卵を使って・・・」
出てきた料理を見て、「なーんだ、フーヨーハイか」と言ったら、通訳が目を丸くして、「え!どうして知ってるんですか!」と驚いたそうだ。

日本語を全然話せない初来日のロシア人に、「次は豆腐料理の一種で・・」と説明して、出てきた料理を見たロシア人が、「オー!アゲダーシドーフ!」と言ったみたいなものだろう。

アメリカで日本食が広まったのは、先ずアメリカで暮す日本人ビジネスマンが増えて、それを目当ての日本料理店が増えたからだ。
そして、国民の肥満に危機感を抱いたアメリカ政府が、もっと魚を食べるようすすめたことから、健康食としての日本料理に関心が高まったのだ。

それよりずっと昔にアメリカを訪れたバーナード・ショウが、アメリカの印象を聞かれて、「男はカネの話。女は体重の話」と答えているから、アメリカの「体重危機」は数十年の歴史があったのだ。

「日本料理は太らない」という神話がひろまっているようだ。
熱烈な信仰にならないうちに、相撲取りがちゃんこ鍋を食べる様子などを紹介して熱を冷ます必要がある。

やせたがっている女性は日本にも多い。
娘の高校のPTAの役員をしたことがある。
男子生徒の母である役員のAさんは、愉快な豊満な人だった。
ある時、Aさんのおでこに傷があるので、どうしたのか聞いた。
「息子とレスリングしたの」
驚いた。愉快で豊満ではあるが、高校生の息子とけがをするまでレスリング!

遊びではなかった。
息子が高校をやめると言い出して、怒った父親とつかみ合いになった。
「主人が負けそうだったので、ワタシが・・・」
な、なるほど。
「最近、息子のことが心配で心配で。ごはんものどを通らないの。ワタシ、やせたでしょ」

や、やせた!?
どこが?
期待に目を輝かせるAさんに私は言った。
「やせたね。抱きしめたら折れそう」

Aさんは、豊満な身体を押し付けるようにして、ドスのきいた声で言った。
「折ってみー!」