若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

ベヘモット

本を読んでいて、「?」と思うことが時々ある。

最近図書館で借りた本。
題名も覚えていないが、戦後すぐアメリカへ留学した女性が書いた本だ。
読み始めてから知ったのだが、著者は黒田アーサーという人のお母さんだそうだ。
黒田アーサーって誰じゃ?

著者は、裕福な家の一人娘だったようだが、お母さんが、「アメリカでお手伝いさんとして働きながら、アメリカ式育児方や、金持ちのしっかりした経済観念を勉強してきなさい」と一方的に命令して、アメリカに放り出したのだ。

アメリカで、お手伝いさんをしながら学校へ行くのだが、行った学校で、川端康成の「雪国」の英訳を教科書として使っていた。
アメリカで『雪国』を習うなんて!さすがにノーベル賞だと感激した」というところを読んで、「?」

ノーベル賞はもっとあとですよ。
どうでもいいけど。
もっとどうでもいいことだけど、「黒田アーサー」の「アーサー」は、この人がアメリカで住み込みで働いて大変世話になった大金持ちの名前だそうです。

今読んでいる、『まがたま模様の落書き』にも、「?」な部分がある。

田中角栄は、「朝鮮戦争のときに富を作り、その財力で昭和22年の選挙で当選した」

朝鮮戦争は、昭和25年だ。

細かい間違い以外にも「?」と感じる。
銀行家であった著者は、巨大タンカーの建造に融資して、進水式に招かれる。

「華々しく行われたベヘモットたちの進水式に出席する」

ベヘモット」?
なんじゃそれは?

調べると、聖書に出てくる言葉で、「巨獣」と訳されたり、「カバ」みたいなものと考えられたりしているようだ。
説明がないのは不親切ではないか。

私は、自分で「?」と思ったとき、出版するまでの間に、誰も気づかないのだろうか、と思う。

『まがたま模様の落書き』で、私が一番感銘を受けたのは、著者の奥さん(日本人です)が、初めてアメリカを訪問したとき、親善パーティの席で行ったスピーチの話だ。

奥さんは英語を間違ったのだ。
「from the bottom of my heart」と言うべきところを
「from my bottom」と言ってしまったのだ。

「心からの感謝」のはずが、「お尻からの感謝」になってしまって、大いに受けたそうです。