若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「日本語がお上手ですね」

朝日新聞の読者投書欄。
スエーデンからの留学生の投書。
日本に来て一年、楽しい思い出とともに帰国するのであるが、気になることが一つある。
町で買い物をするときなど、必ず「日本語が上手ですね」と言われる。

そんなお世辞は言ってほしくない。
私は日本語が上手になりたいのです。

久しぶりに朝日新聞に問う。
この投書を載せることで、何が言いたい。
読者の皆さん、外国人に「日本語が上手ですね」と言うのはやめましょう、と訴えたいのか。

「どもありげとごぜまーす」
「日本語がお上手ですね」
これではいけないのか。

「正しい発音を覚えてください。では、私のあとについて、ハイ!」
これなら満足してもらえるのだろうか。

スエーデンの人に言いたい。
「日本語が上手ですね」はお世辞ではありません。
あいさつです。
もう少し勉強するとわかるとおもいます。

相手の気持ちにかまわず、自分の思っていることを相手に伝えることもあるし、相手が喜びそうなことを言うこともあるし、黙っていると間が持たないから、適当に口からでまかせを言うこともあるし、言語活動はいろいろだ。
日本人は、相手の気持ちにかまわず自分の思っていることを表明するのが苦手かもしれない。
波風立てず丸くおさめたい気持ちが強いかもしれない。

戦後すぐにアメリカでメイドをした日本人女性の体験記を読んだ。
知り合いの日系二世の人から、賃金とか労働時間とか、言いたいことを言わないとダメだと教えられる。
「ノーモアジャパニーズガール」
日本の女の子ではダメですよ。
アメリカでは、言いたいことを言っても波風が立たないことを知る。

日本に長く住んでいるドイツ人記者の本を読んだことがある。
この人は日本に来て、日本人は隣近所実に仲良く暮らしていると驚いたそうだ。
日本式感覚からすると、ドイツ人は年中隣近所とけんかしているみたいなものだそうだ。
ドイツ人はけんかしながらふつうに付き合うが、日本人は普段仲がいいかわりに、けんかすると絶交状態になる。

けんかしているのがふつうということはけんかではないのだろう。
言いたいことを言いあっているだけ。

「どもありげとごぜまーす」
「ユー スピーク ジャパニーズ ベリー ウエル」
「おお!あなた英語ぜーんぜんへたっぴー!何年習ってまーす?」
「サンキュー」