若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

『ともだち』

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谷川俊太郎和田誠著『ともだち』
「友達の大切さを、やさしい言葉で伝える小学生向け絵本」

気に入らん。
小学生にやさしい言葉は要らぬお世話だ。
小学生に限らず、「ただいま勉強中」の若者に「やさしい言葉」無用。
はったりはだめですが。
頭が固くなって新しいことが吸収できないおとなには、「やさしい言葉」で言って聞かせることが必要だ。

さて、どんなことが書いてあるのか。

「かぜをうつしても平気だよ、って言ってくれるのがともだち」

さすが児童文学界の相田みつおだ。
最近は子供達も疲れてるので、谷川さんのような「癒し系詩人」がうけるのだろうか。あるいは、親が疲れてるので、つい「癒し系」を買い与えてしまうのだろうか。

前に、私も癒し系詩人であると書いた。
「癒し系」というより「冷やかし系」ではないかという意見もあるようだ。
まあ、谷川さんより幅が広いことはたしかだと自負している。
谷川さんに挑戦。

    ともだち
            若草鹿之助
ぼく、かぜをひいたみたい
太郎が言った
身体を押し付けるようにして次郎が言った
うつしてもへいきだよ 
だってともだちだもの

へいきへいき!
三郎も四郎も五郎も六郎もやってきた
ともだちだもの!

皆は元気なブロイラーだ
広い鳥小屋で何百羽とかわれている

次の日、太郎はふらふらしていた
次郎も三郎もふらふらだ
誰かが言った
トリインフルエンザじゃないの?

もうろうとしながら太郎が言った
ぼくには夢がある
それは「若鳥のもも肉」
骨のところに銀紙を巻いてもらって赤いリボンをつけてもらうんだ

次郎が言った
ぼくは焼き鳥になる!
三郎がさびしそうにつぶやいた
ぼくの体格じゃとても・・・

太郎が言った
何を言ってるんだ 三郎は肝臓が丈夫だろ
そ、そうか!
レバーがある!

次の日、白い服を着たおじさんたちがやってきた
あ、お医者さんだ!
助かった!

ちがうよ、保健所のおじさんたちだ
炭酸ガスでぼく達を処分するんだよ
薄れていく意識の中で太郎ははっきり見た
ぴかぴかの銀紙と、赤いリボンを

ありがとうぼくのともだち