この、NHKTVの番組は、動物の世界を紹介する、見たいような見たくないような番組である。
動物の珍しい生態を見るのは楽しい。
が、あまりにも不思議な有様を見せつけられると、たじたじとなってしまう。
私の、生存基盤というか存在基盤というか、まあそういうものを危うくされるような気がする。
私が生きていく上で頼りにしているのは、義務教育修了という看板と、六十数年かけて身につけた常識、この二つである。
この番組では、それをコケにするような、とんでもない神秘的、超現実的、オカルト的、スピリチュアル的事実が紹介される。
大いに心身を揺さぶられる。
世の中に、神秘的、超現実的、オカルト的、スピリチュアル的言説は満ちあふれているけれど、すべて、口から出まかせである。
勝手に言うておれ!と、私はすましていられる。
ところが、この番組は、口から出まかせではない。
神秘、超現実、オカルト、スピリチュアルの実物大見本が、ぞろぞろ出てくる。
私の、義務教育修了的頭脳と日本の常識では処理しきれない。
その動物が、アフリカに住んでるとか、アマゾンにすんでるとかならまだよろしい。
アフリカやアマゾンなら、何が起きてもおかしくないでしょう。
差別的発言かもしれないが、そう思って無理やり納得することも可能だ。
ところが、たまに日本の動物の不思議が紹介される。
これは困る。
前の日曜の『ダーウインが来た!』では、佐渡の海に住む「コブダイ」という魚を取り上げた。
頭にこぶがある鯛で「コブダイ」。
何の不思議もない。
面白くもおかしくもない。
ところがこの「コブダイ」が困った魚だ。
生まれたときは、全部メスだそうです。
なんじゃ、それは?
それだけでも不思議なのに、この「コブダイ」は、大きくなるとけんかをする。
メス同士が、けんかをするんです。
で、けんかをして勝った方がオスになる。
あのねー、きみねー、そんなあほな話がありますか。
佐渡の海では、そういう理不尽なことが現実に起こっている。
そして、メス同士がけんかを始めると、オスが止めに入る。
オスが増えると困るからというんですが・・・。
そういう場面を放送してたけど、ホントかな。
見たくない話でした。
NHKから、「あれはウソでした」というおわびがあれば、うれしいと思いました。