これから合歓の郷に行ってきます。
恒例の、尊師主催ヤマハの合宿である。十年ほど前、エレキギターを習いだして一年目に初めて参加した。クラスメイトの中学二年生三人と、近鉄特急でオセロゲームなどを楽しんだことを思い出す。
夜、参加者が集まって自己紹介をするとき、私は、「奈良から来たギター少年鹿之助です」とウケ狙い丸出しでやったのだが、数十人の若者たちはちっとも全く全然無反応であった。
私の「ウケ狙い」が外れることはよくあることで驚くに当たらないのであるが、このときほど見事に外れたことはちょっとないので印象に残っている。
今回私は、アメリカハードロック界の雄マウンテンの名曲「イマジナリウエスタン」を弾く。
一度は弾いてみたいと思っていたので満足である。
しかし、自分の曲以上に楽しみなのは、おなじみ、あのY森さんの「クレイジーラブ」だ。ポール・アンカの名曲中の名曲である。狂おしいまでの恋心を、身をよじり、身体を震わせ、手を差し伸べ、ひざまずき、目を閉じ、あるいはかっと見開き、ステージでのたうつY森さんが目に浮かぶ。
5日のレッスンで、初めてY森さんが歌った。
まだまだ歌いこめていないようだ。期待が持てる。
今回の合宿では、「クレージーラブ」がらみで大ネタがゲットできそうだとわくわくしている。
Y森さんはすでに車で出発しているが、また何を書かれるかとヒヤヒヤソワソワしながらハンドルを握っているのではないか。
運転に集中してくださいよ。
「クレイジーラブ」の歌詞カードをフロントグラスに貼り付けて絶唱しながら運転してはいけませんよ。
では、出発します。