皇位継承問題について、三笠宮寛仁さんが、伝統ある制度に軽々しく手を加えるなと主張したそうだ。
皇族や関係者でそう思っている人は多いと思う。
平民が皇后などとんでもないと思っている人も多いにちがいない。
美智子皇后は苦労したと思う。
伝統を守り、男系万世一系でいくなら、天皇や皇太子の正妻は家柄で選んでおいて、そのほかに子供を作るための女性を取りそろえるということになるだろう。
「家柄」というからには貴族制度も復活だ。
あとは皇族による殺し合いが復活すれば伝統完全復活でめでたしめでたしということになるのだろうか。
「伝統」についてはよくわからん。
ふつうに言う「伝統的行事」などはだいたいこの二百年位のものだという説を読んだ事がある。
連綿とつながってるようで本当はつながってないこともあるそうだ。
皇室でわからないのが仏教との関係だ。
先祖代々伊勢神宮を拝んでたのに、突然「仏教のほうがいい!」といって変えてしまったのだろうか。
「伝統を大事にしなさい」という人たちが負けてしまったのだろうか。
聖武天皇が大仏を作るとき、神罰が下るからやめなさいというような意見はなかったのだろうか。
天皇をやめて出家することも誰の反対もなくできたのだろうか。
今の天皇がクリスチャンになるとか、皇太子がイスラム教徒になるとかいうのとは違うのだろうか。
今、天皇がモスクや教会を作ると言い出したら大騒ぎだと思うが、聖徳太子や聖武天皇もそんな人騒がせな「困ったさん」だったのだろうか。
聖武天皇以来、天皇の葬式は仏式だったそうだが、これを神道式に変えたのは伝統の破壊ではなくて伝統の復活だったのか。
今の天皇家は仏教と絶縁しているのだろうか。
以上、非常に素朴な疑問であると思うが、伝統についてあれこれ考えないのが日本の伝統なのであろうか。