若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

ヘンな人

昨日、帰りの電車で立って本を読んでいると、斜め前に座っている青年が声をあげだした。

「ん・・・ん、ん・・・ん、ん、ん・・・」

ちょっとおかしい若者だなと思っていると、バッグから何か取り出した。
プラモデルの部品みたいなものだ。
小さなビンから接着剤みたいなものを手で部品につけ始めた。

べちゃべちゃである。
「ん、ん」と言いながら、べちゃべちゃしている。
こういうことがしたい人なのだ。

いくつめかの駅で彼は降りた。
乗ってきた人が、空いた席に座ろうとして私の後ろを通った。
足音が、チョコチョコとおかしい。

席に座ったのは時々見かけるヘンな人だ。
そこはヘンな人の指定席なのか。
40歳くらいの男性で、いつもヘンだ。

昨日は、カップ麺を両手で持って座った。
湯気の立っている「どん兵衛特盛り」だ。

電車の座席でおいしそうに「どん兵衛特盛り」を食べていた。

こういう人もヘンだが、テレビのニュースで見た一級建築士はもっとヘンだった。
マンションの耐震性能についてでたらめな書類を作った人だ。
震度5の地震で崩壊する危険性があるようなマンションがたくさんできてしまった。

テレビに出ていた一級建築士は、困った顔もせず恥ずかしそうでもなく居直るわけでもなく、ごくふつうのすました顔でしゃべっていた。

なんちゅうか、「皆さんが私が悪いことをしたとおっしゃるのですから、私はかなり悪いことをしたんでしょうかね〜」という感じだ。

実にヘンな人だと思った。
電車で「どん兵衛特盛り」をふーふーはーはーどころではない。

とにかくヘンな話だ。
でたらめの書類を審査した会社の社長が、でたらめを見逃したけれどウチに落ち度はないと言っていた。
でたらめな基準で建ててしまった建築会社もヘンではないか。

世の中を動かしているのはヘンな人なのだ。
ふつうでは動かせませんよ。

私たちは、電車の座席で、接着剤でお手々べちゃべちゃの人や、「どん兵衛特盛り」ふーふーはーはーの人をはるかに上回るヘンな人たちに動かされていると思う。
気をつけよう。