このところ、美術予備校で模写をしてます。
模写をして気づくのは、人間、見てないもんだなあ、ということです。
ぼーっと見てるんですな。
模写をして初めて、ここはこうなってるのか、と気づく。
今、ルーベンスの「クララの肖像」を模写してます。
巨匠、天才、神技の人ですが、それほど好きにはなれませんね。
宗教画とか神話を題材にした絵が多い。
「聖母被昇天」といわれても、私なんか、ふ〜ん、と思うだけです。
「キリスト降架」も、ふ〜ん、ヘンなとこを描いたなあ。
そういうピンとこない絵が多い上に、登場人物の体格が男女とも良すぎます。
私みたいなスリムだけがとりえという男にとって、見てるだけで疲れます。
さて、この「クララの肖像」はちがいます。
見たら誰もが好きになる。
ルーベンスが愛娘クララを前に筆を取った奇跡の傑作というか絶品というか、まさに神品だと思います。
それを模写しようというのだから、素人さんにも困ったもんだと予備校の先生は苦笑いしてるかもわかりません。
小さな絵ですが、見どころ満載ですよ。
ルーベンスの天才と愛情が爆発炸裂してます。