若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

異常事態

とんでもないことであった。

1月3日の夕食のとき、酒がほしくないのに気づいた。
外で飲むことは少ないが、晩酌を欠かすことはない。
夕食の席につけばまず酒だ。

これは父譲りで、修道士メンデルの遺伝の法則をえんどう豆が花の色で証明しているように、私たち父子は酒の飲み方でメンデルの正しさを証明していると言える。

父と同じように、私も子供が小さいときはひざにすわらせてニコニコと酒を飲みながら、酒の肴といってもぜいたくを言うわけではなく、家内にあれを出せこれを出せあれはないのかナニはどうしたと細かく指図するだけだから実にまったく家庭的ないい酒で、世の中私のような男ばかりなら家内円満奥様満足、そのかわりバー、スナック、居酒屋などは壊滅的打撃を受けるのは必定だから、私のような飲み方をどなたにもおすすめすることはしません。

さて、1月3日。
「まず酒だ」という気がしなかった。
あれ?
そんなはずはない、何かの間違いだと思って飲んでみた。
うまい、という感じではないが、まずいというほどでもない。

1月4日。
飲む気せず。
これはおかしいと思って酒を抜く。

1月5日。
飲む気せず。
抜く。

こうなると、ふだん酒を控えなさいと言う家内が心配し始める。
母といっしょだ。
結婚前は、私が「今日は飲まずにおく」というと母が非常に心配した。
で、親孝行な私は、母に心配をかけまいと、ムリして飲んだものだ。

家内も心配させてはいけない。
三日連続で飲まなかったらどれほど心配するかと思うと心が痛んだ。
飲む気がしないなどと勝手なことは言っておれない。
愛妻家の私は、6日は無理やり飲んだ。

無理やり飲んで次の日病院に行った。
酒を飲む気がしないんですと言ったら、お医者さんは、じゃあ飲みなさんな、とふざけたことを言ったので腹が立った。

冗談を言っている場合ではない。
心配なら血液と尿の検査をしましょうということで検査をした。

きのう結果が出た。
特に問題はないと言われた。
そうですか。
先生は、相変わらず、飲む気がしないなら飲むなと言うのであるが、他人だからそんな気楽なことが言えるので、心配そうな家内の顔を見ると飲まずにはいられませんよ。
がんばって飲もう。