若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

スケート

朝、駅のホームに上がると異様な人だかりである。

何十人もの人が集まっている。
近づきつつ見ると、輪になっているようだ。
誰か倒れているのだろうか。

違った。
ホームにある大きなテレビを見ていたのだ。

お!3000万円メールに何か進展でも、と思って画面を見たら、フィギュアスケートだ。
フン、朝っぱらからフィギュアスケート見物か。
さっきまで家で見ていた私は集団を通り抜けた。

家のテレビで、すべっている女性選手を見たとき、ヘタだなーと思った。
しかし、うまいのかもしれん。
ヘタだと決め付けずに見ていた。

足を後に少し上げた。
かかとを手で持った。
「ピールマンスピン」をやろうというんですな。

昔、ピールマンさんが初めてこれをかましたとき、私は感激した。
見栄えのする技である。

さあ、足をぐっと頭上高く持ち上げると思ったら、持ち上げなかった。
下ろしてしまった。
なんじゃ。

しばらくすべっていて、また足を後に少し上げてかかとを手で持った。
さあ!皆様!お待たせいたしました!
(どこかで聞いたせりふだ。この人は銀盤のY森さんなのか)
いよいよピールマンスピン!と思ったら、また足を下ろして結局この人はピールマンスピンをすると見せてしなかった。

非常に低い点が出たので、素人の私にもわかるへたっぴーだったようだ。
この人に聞きたいのは、ピールマンスピンをやる気だったのかどうかだ。
その日の調子によってできたりできなかったりするのだろうか。

今日はやろうと思って足を上げたものの、股関節のコンデションがイマイチなのであきらめたのだろうか。
あるいは、もとからあれだけのつもりだったのか。

ヘタと言ってもオリンピックに出るんだからうまいのだろう。
本当のヘタはこんなものじゃない。
私は、フィギュアスケートのホントのヘタを知っている。

長女が大学のときスケートクラブに入った。
フィギュアスケートの練習風景をビデオで見た。
学生達が氷の上を、超へっぴり腰で、のら〜〜りくら〜〜りとうごめいていた。
銀盤のエチゼンクラゲという感じだ。

私は、学生達がビデオカメラに向かってふざけているのだと思った。
真剣だと聞いて驚いた。
娘も驚いたようですぐやめた。

フィギュアスケートのヘタはダメだ。
しゃれにならない。
ヘタでもご愛嬌ですむのはエレキギターくらいだ。