若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「イナバウアー」の真実

昨日の夜、NHKのニュース番組に荒川静香さんが出ていた。
彼女が「イナバウアー」について語るのを聞いて、私は驚きのあまりイスから滑り落ちそうになった。
イナバウアー」というのは足の開き方だそうだ。知らなかった。上半身を後ろにそらすことだと思っていた。

イナバウアー」が、西ドイツの選手の名前だと知っていた人は少ないだろう。どういう意味かと思った人が多いだろうし、私みたいに単純に、イナバウアーの白ウサギと言って喜んでいた人もいただろう。

足の開き方だと知っていた人は日本中、いや世界中に十人ほどしかいないのではないか。日本のテレビ局から、フィギュアのメダル予想のインタビューを受けていたアメリカの記者は知っていたのだな。「彼女の名前をつければいい。『アラカワ・レイドバック・イナバウアー』」と言っていた。

日本人向けにサービスで言っているのだろう、お世辞のいい人だと思った。
お世辞ではなかったのだ。単純な「イナバウアー」を、あのような華麗な技に仕上げたのは荒川選手なのだ!
なんたることじゃ!

日本のマスコミの弱点が情けないほどはっきり現れている。事実に眼を向けない。会場に「アラカワ・レイドバック・イナバウアー」と書いた横断幕を掲げるべきだった。

なぜ、イナバウアーイナバウアーとよその娘の名前を連呼する必要がある。
政府は何をしているのか。彼女は、今後アイスショウの世界で活動したいと語っている。「アラカワ・レイドバック・イナバウアー」という名前は、彼女の大きな財産になるだけでなく日本のPRにもなる。日ごろ、国益国益とあほだら経みたいに言っている人は、この名前を採用させるよう働くべきだ。
国連の常任理事国なんかどうでもよろしい。

しかし、フィギュアの世界の競争は激しい。ロシアでは、後ろにそるのが難しいということで、上半身と手を前にだらりとたらす「ユーレイ・イナバウアー」で打倒荒川を目指しているそうだ。

荒川選手を出迎える空港の騒ぎはすごかった。
「荒川さーん荒川さーん」と大騒ぎだ。
はじめのうち、にこやかに答えていた荒川選手も、「静香ちゃーん静香ちゃーん」の大合唱にはたまりかねて言い返した。
「やかましわ!静香静香て静かなことあれへんがな!」
「えーかげんにしなさい!」
「ほんとにネッ!」