若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

短歌鑑賞

家内が、ある短歌結社の歌誌を貸してもらったというと駄洒落のようだ。
素人のヘンな作品は、歌人の普通の作品より面白い。エレキギターといっしょだ。

短歌や俳句の世界は高齢化が激しい。

「年老いて忘年会のお呼びなく残り物にて食事を済ます」
わびしい。

「三回のウォーミングアップに息が切れ吾八十三歳の年を思ひぬ」
83歳で3回もウオーミングアップしたら、本番前に倒れますよ。

山本直純さんをテレビで見ずと言い今宵叱らる妻と娘に」
この人、記憶力はやや衰えたようだが、体力気力はかなりのものだと、次の歌でわかる。
「自転車の後ろに妻を乗せ坂の途中で力尽きて歩めり」
さ、さ、坂の途中!私ならはじめから妻を乗せたりしません。

謎めいた歌も多い。
「歓迎のボーイズメロディ旗振りのロマンチックに酔いて乗船」

ライン川の川くだりか。観光船に乗るとき、地元の男の子たちが旗を振ってボーイソプラノで「ローレライ」を歌ってくれたのだろうか。

ダイエーに安きテープを求めむと花の師言いき四十年前」
謎だ。四十年前のお花の先生の言葉を突然思い出したのか。

「年賀状嫌な人ともやり取りす退職の後の今も続きて」
やめたらよろしいがな。

「満月に向かいて吠えてみたくなる一人すき焼き食みし夜には」
ワイルドな女性だ。すき焼きを食べたら吠えたくなるというのがこわい。

「千円を貸してといへば貸したるを返さぬ人をまた思い出づ」
よほど腹にすえかねておられるようだが、次の歌を読んで気をまぎらしてもらいたい。

「妹や娘夫婦に貸したりし二千五百万余りの貯金の思ひ出」

これは大きい。ケタがちがいます。千円くらいなんですか。しかし、「また思い出づ」ではなく、さらりと「思い出」と詠んでおられるところを見ると、二千五百万円あまりはめでたく約束の期日までにミミをそろえて返済されたものと思える。
利子もつけて。(^o^)/
うれしい思い出のようである。
にんまりとして詠んでますねっ。