朝日新聞の広告。
日本直販の人気商品速報。
「頭も首もひんやり冷やすバンダナ」とか、「お医者さんが開発した腰とお尻にやさしいクッション」などに混じって、女性がおしゃぶりをくわえた写真が出ている。
なんじゃこれは?
「ビューティボイストレーナー」だ。
この「おしゃぶり」じゃなかった「ビューティボイストレーナー」を口にくわえて、一日5分ほど「あーうー」と発声するだけで声が若返るというのだ。
私はしゃべっている最中によく声が裏返るが、声が若返るというのは聞き初めだ。
なかなか目の付け所がよろしい。
「大きな声の人がうらやましい」とか「黄色い声が出なくなった」という人におすすめとのことである。
黄色い声を出したい人なんかいるのだろうか。
「長時間の井戸端会議も余裕綽々!」(-_-;)
たしかに声も年をとるのだろう。
「ビューティボイストレーナー」できたえて、私が二十代のころのさわやかな声でしゃべったらかっこいいだろうか。
きたえにきたえて、声変わり前のボーイソプラノ、ウイーン少年合唱団風の声になってしまったらどうだろうか。
おかしいかもしれない。
4980円と値段もお手ごろだし、一日5分「あーうー」なら、なんとかなりそうだが、声が若返るのがいいかどうか慎重に検討しよう。
高校の美術の時間に、生徒が交代でモデルになって、鉛筆画を描いたことがある。
そのときの画用紙が今も何枚か手元にある。
鉛筆で描いた人物の下に、「A君」とか「Bさん」とかモデルになった子の名前を書いてある。
その中の一枚。
「美声岡本さん」
う〜ん・・・。
きれいなソプラノだったように思うが、はっきりは思い出せない。
でも、わざわざ「美声岡本さん」と書いたのだからよほど「美声」だと思っていたのだろう。
岡本さんの「美声」も年をとっているのであろうか。
「ビューティボイストレーナー」で鍛錬した後の岡本さんの「美声」をもう一度聞いてみたいものである。