若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

埼玉県に行ってきました

近鉄特急で京都へ。
家族連れがいる。子供たちが楽しそうだ。

子供時代というのは、家族旅行の電車に乗っているようなものだな。どこか知らないが、いいところに行くのだ。何か楽しいことが待っている。

と思っていたら、あれ、いつのまにか通勤電車に乗っている。
子供時代、あっけなく終わり。

つり革にぶら下がっていたら、まもなく終点という放送。
ええ!もう終点?
それが、60歳をむかえた私たちの現状ですよ。終点はいいけど、降りてからどうするの、というような話が同窓会で交わされたのであった。

私の前に家族連れ。両親と小学生の兄弟。前の座席にお父さんとおにいちゃん、後ろにお母さんと弟という組み合わせですわった。

ふつう、座席を回転させて四人向かい合わせにすわると思う。
問題のある家族かもしれない。

前のお兄ちゃんが後ろを振り向いてお母さんに手を出した。お母さんがサンドイッチを渡す。駅で売っているような、プラスチックケースに入った小さなサンドイッチだ。

お母さんは、もう一つのサンドイッチを、何も言わずお父さんのほうへさし出した。前のお父さんが気づくわけがないではないか。

お父さんは気づかない。
と、お母さんは、サンドイッチのケースでお父さんの頭をポンポンポンポンたたいた。気づかないわけはない。気づいたお父さんは、何も言わず振り向きもせず手を伸ばした。お母さんが渡す。

と、今度はお父さんが振り向きもせず手を後ろに伸ばした。
玉子サンドを持っている。
お母さんが受け取った。

今度は、お母さんがカツサンドをつかんでお父さんに渡した。
お父さんはやはり振り向かない。
双方無言。

イキのあった仲のよい夫婦だ。
いつもお父さんの玉子サンドとお母さんのカツサンドを交換しているのだ。

京都駅のホームに上がるエスカレーターで右に立つ。見上げると、左にずらっと何人か立っている。左に立つべきか。

下から声が聞こえてきた。

「関西は右で関東は左か」

大きな声だ。中年男性がニコニコして私を見ながら上がっていく。
「関西は右で関東は左。ややこしいなあ。エスカレーターでうろうろせんならん。関西が右で関東は左。中部のアホは真ん中に立つ。あ〜はっは」

私もつられて笑ってしまった。
朝から陽気で結構だが、この人大丈夫かな、と思いつつ「のぞみ」に乗る。