若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

朝から

朝の駅前。おなじみ、県会議員のTさんである。

「本日も早朝から・・・」

またか。
「お勤めご苦労様でございます」というのだろうと思ったら、ちがった。
「本日も早朝から、駅でのお勤め、また、駅周辺ですでに勤務についておられる皆様がた、大変ご苦労様でございます」

そ、そうか・・・。
私たちはこれからだが、すでに働いている人たちがいるのだ!私は、なんだか肩身の狭い思いでとぼとぼと改札口へと向かった。

朝日新聞朝刊書籍広告。
ビジネスマンをサポートする月刊誌『ビッグトゥモロー』
今月号は、「総力特集!一生金に困らない方法すべて教えます!」

これまでも『ビッグトゥモロー』は、簡単に千万円ためる方法とか、絶対安全な株で確実に五百万円もうける方法とか、さまざまな秘法を読者に伝授してきた。
今までは、「第一特集」から「第三特集」くらいまで、盛り沢山な特集があったけど、今回は「総力特集」一本だ。これ以上はないでしょう。『ビッグトゥモロー』は、今月号で廃刊のような気がする。

主婦の友社の『ほっとくる』

最近、ひらかなの、わけのわからん雑誌が多い。『ほっとくる』などという名前を見ると、かっくんとくる。

特集は、「著名人82名に聞きました」
よくあるパターンだ。「82名」というのがおしい。縁起のいいところで「88名」にすべきだろう。あと6人、なんとかならなかったのか。

「82名」の著名人に何を聞いたのか。

「理想の介護」である。
介護を受けないのが理想的だが、理想どおりには行かない。介護を受けるという、理想的でない状態の人に、理想的な介護をぶつける。大変むつかしい話だ。

母のいる施設で、90を過ぎて亡くなった女性Aさんは、なにかしてもらうと、いつも顔の前に拝むように手を立てて、「ありがとございます」と言った。車椅子に座って、寝言のように、「南無大師金剛遍照。もったいない、ごもったいない」と繰り返した。
理想の被介護者である。

「理想の被介護者」になりたいか。
考えさせてください。

理想の車、理想の家、理想の男性、理想の女性、理想の家庭、理想の教育。
いろいろある。理想の介護まで来れば、あとは理想の葬式と理想の墓くらいだ。やれやれである。ほっとする。
『ほっとくる』を読もう。