若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

世界三大旅行記

NHKテレビ「日曜美術館

栃木県立博物館で、「慈覚大師円仁とその名宝展」を開催中。
ポスターに、「お帰りなさい」と書いてある。
円仁は栃木出身だ。

番組で、困ったことを言っていた。
円仁の著書『入唐求法巡礼行記』は、マルコ・ポーロの『東方見聞録』、玄奘三蔵の『大唐西域記』とならんで、世界三大旅行記のひとつと言われていると紹介していた。

14世紀イスラムの大旅行家、イブン・バットゥータの『三大陸周遊記』を外してもらっては困る。
私が読んだのはこれだけだ。
これも入れて、「世界四大旅行記」にしてくれれば、「世界四大旅行記の一つを読んだ」といばれるのに。

NHKはなぜこんな意地の悪いことをするのだろうか。
私に恨みでもあるのか。

『円仁』を読んで、不思議に思ったことがある。
最澄が、遺言で、「酒を飲んではいけない。女を近づけるな」と弟子たちを戒めているのだ。

最澄は、厳しく清らかな人だったそうだ。
死ぬ間際に、こんなことを言うのは情けなかっただろうと同情します。
まあ、他は、かなりひどかったんでしょうな。

円仁は、「打倒空海!くたばれ真言宗!」の思いを胸に秘めて、唐に渡り、最新流行のなにやかやを集めまくった。
ところが、時の皇帝が、道教にいかれてしまって、仏教大弾圧を始めた。
僧尼を迫害し、円仁も還俗させられた。

命からがら、日本に帰ってきたのであったが、円仁はそのことを黙っていたようだ。

唐では仏教ボロボロでしたとは、営業上、口が裂けても言えなかった。
「唐で最新流行」がウリだったのだから。
高僧も苦労してますね。