若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「ウン、ウンチャチャ」の「チャチャ」

ギターの話である。

きのうのレッスンで、今度の発表会でY森さんが歌う、「いとしのエリー」の練習を始めた。

「ウン、ウンチャチャ」と弾くところがある。
正確には「チャチャ」の部分でギターを鳴らす。
「ウン」は休みです。

ギターを習いはじめて以来、ずっと不思議に思っているのであるが、どういうわけか、この「ウンチャチャ」の「チャチャ」が難しい。
「ウン」のところで鳴らすのは簡単なのである。

「ウン」のところで鳴らす曲ばかりなら、私のギター人生は、どれほど楽になっていたかと思う。
「チャチャ」を、業界用語で「ウラ」というらしい。

歌もギターもウラから入る場合がけっこうある。
Y森さんは歌でウラに泣かされ、私はギターでウラに泣かされる。
「ウラ」は、中高年泣かせだ。

同病相哀れむ、と言いたいところだが、私はそんないじけた男ではない。
自分は泣いて、Y森さんのことは笑う。
いい性格だ。

「ウン、ウンチャチャ」は、聞いている分には簡単であるし、気持ちいいリズムだ。
ところが自分で弾くとなると、とたんに難しくなる。

尊師は、「軽く軽く、ウン、ウンチャチャ、ウン、ウンチャチャ」と言いつつ、模範演奏。

なるほどネ。
軽く弾けばいいのか。
わかるが、軽く弾けない。

「ウン、ウン」のところで、「チャチャ」を待ち構えているのがいけないのだろう。
たぶん、「ウン」は「お休み」でも昼寝してる状態でもなく、リズムの中に入ってるのであろう。

私にとっては、音を出さない「ウン」はお休みで、油断している状態なのだ。
で、油断していてはいけない!と自分に言い聞かせる。
緊張して、「チャチャ」を待ち構えることになる。

いまや遅しと力むあまり、「チャチャ」を見逃してしまう。
ウワッ!しまった!と思ってもあとの祭り。
幸運の女神には後ろ髪がないそうだが、リズムの女神にもない。
いちど見逃したらおしまいだ。

幸運の女神より、リズムの女神のほうがつかまえるのが難しいのではないか。
後ろ髪がないばかりか、前髪もない。
リズムの女神は丸坊主ではなかろうか。

これから猛練習だ。
近鉄奈良線電車内で、首を振りながら、「ウン、ウンチャチャ、ウン、ウンチャチャ」と口ずさんでるイケメンナイスミドルがいたら、それは私ですので、お気軽にお声をおかけください。