駅前の広場が、観光バスの発着場のようになっている。
観光シーズンには、何台もとまっている。
今朝は、かなり強い雨の中、一台とまっていた。
雨の日の観光バス。
なんとなくいい感じだ。
「旅行に出発する朝から雨でいい気味だ」というのではありません。
そういう気持ちではない。
と思います。
バスには、お年寄りが乗っていた。
しみじみ感がただよう。
いい天気とか、曇りの日に、観光バスがとまっていても、それだけのことだ。
「観光バスがとまってる」
「じゃまですな」
雨なればこそ、バスから、しみじみ感、がっかり感がにじみ出る。
今朝みたいに強い雨で、乗客がお年寄りだと、そこに、あきらめ感と無常観さえ加わる。
観光バスではなくて、浄瑠璃寺念仏堂みたいに思えてくる。
「悲惨」というほどのことではない。
旅行に行くのに雨、というだけの話だ。
こういうこともありますよ。
天気ならバスの横を素通りだが、雨に打たれるバスの座席で、ぼんやり外をながめているお年寄りの顔を見ると、「残念ですね」と声の一つもかけたくなる。
雨の日の観光バスはいい!
私は、インケンでひねくれているのであろうか。